本当にあった怖い話
数年前に言葉がメディアで取り上げられてから、一大社会現象であるかのように言われてきたのが「モンスターペアレント」です。
最近はブーム(?)も落ち着いてきたのかそれほど目立った存在ではなくなってきた感じがありますが、実際に保育の現場にいると時々そうかなと思えるような人と対面してしまうこともあります。
幸いにして私自身が経験をした事例としてはドラマやマンガなどに登場してくるようなトンデモな人はいませんがそれでも時々ちょっとそれは、と引いてしまうような要望を園に対して言ってくる人がいたりします。
これまで実際に遭遇した中で驚いたのが「保育園で朝食も用意してもらいたい」と言ってきた人でした。
その方はご両親とも共働きで会社で働かれていたのですが、朝早く起きるのがとても苦手らしくお子さんが朝食を食べてから登園するということはまずほとんどありませんでした。
朝食べないで保育園に来るので当然お腹が減っているのか午前中はいつも元気がなく、お昼になると一番に準備をするのでなんだかいたたまれなくなってしまったりもしていました。
そこでもしかして朝食を食べていませんか?と尋ねたところ上記のような要望になったというわけです。
あるいは私立の保育園などではそうした特例もあるかもしれませんが、自分たちの都合で勝手にサービスしろと言ってくるのは少し違うのではないかと思います。
我が子がかわいいのはわかりますが
いわゆるモンスターペアレントと言われる人にも二種類がいるようで、一つ目が先に述べたような「自分でするのが面倒くさいことを保育園に押し付けたがる」というタイプと、もう一つが「我が子可愛さのあまりに特別扱いされることを希望する」というタイプです。
先のタイプの場合には、発展すると給食費を未払いのまま無視したり、休日や時間外に平気で子供を預けようとしてきたりというようなこともあったりするようです。
しかし対応の面倒さということでいうと後者の方がより悪質度は高かったりします。
嘘のようですが、実際にお遊戯会などで自分の子供が主役でないとクレームをつけてきたり、運動会で自分の子供がよい順位でなかったりするとなにかと難癖をつけて有利にしようとしてきたりと本当に対応に困ります。
中にはプール授業のときに男女の子供を一緒の部屋で着替えさせていたら「娘を男の子がいるところで裸にするとは何事だ!」と怒鳴りこんできたような父親もいたろききます。
ご本人にとっては筋が通った主張なのかもしれませんが、保育園という集団生活の中でもそうそう一人ずつを特別扱いにすることはできないものです。
言葉がひとり歩きしてしまった弊害
しかしここで誤解をしてもらいたくないのが、保育園側も何か意見を言ってくる人をすべてクレーマーと認識しているわけではないということです。
中には私達がうっかり見逃してしまっていたような大切な指摘をしてくれる方もおり、そうした意見はできるだけ多く集めたいという気持ちは持っているのです。
ですが案外そうしたきちんと考えて意見を持っている人ほど、「こんなことを言うと子供が不利益を受けるんじゃないか?」とか「モンスターペアレントと思われるのでは?」といった心配をしてはっきり言ってくれないこともよくあります。
保育園としてはきちんとブレないように姿勢を保ちつつ、意見を言いやすい体制を作っていきたいものです。