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保育士に必要な心構え

いい先生になること

保育士に必要な心構えは「いい保育士」と言われるようになれれば備わっていると言えます。
いい保育士になるために新しいスキルを付けるのではなく、自分自身をセルフコントロールできることが大事なポイントです。

いい先生はこどもからも親御さんからも、同僚や園長からもいい先生です。
勤続歴が長くなっても怠慢になったりせず、みんなと円滑なコミュニケーションはもちろん、こどものスキルを伸ばすために努力を続ける向上心が大切。

こどもから見たいい先生

こどもはお母さんの代わりになってくれるような、優しい先生が大好きです。
優しい先生というのは、上手に褒めてくれることや気持ちに寄り添ってくれるという点が大事なポイントになります。
たくさんのこどもを相手しているので、一人ひとりに時間をかけられない場合もあると思います。ただ、こどもたちは、○○ちゃんには優しいのに私には素っ気ないという些細な違いに気づいて不安な気持ちを抱いてしまいます。そういった違いを出さないように気を付けてくださいね。
また、誰かと比べて褒めるのではなく、昨日の自分よりもできるようになった点を褒めてあげると、ちゃんと見てくれているのだと嬉しくなるようです。
こども同士の喧嘩ではどっちが先に手を出したという犯人捜しより、お互いの意見に寄り添って話を聞き、どちらも責めることなく仲直りさせるとか、存在を肯定してあげることが重要。叱られると「先生は私のことが嫌いなんだ」と直結してしまうこどもたちは存在意義を明確にしてあげることがとても大事です。何かを上手にできたから褒めるのではなく、何もしていなくても○○ちゃんの存在自体がとっても大事!と伝えることでこどもは信頼を寄せてくれるでしょう。
信頼関係がしっかりと築けていればこどもから見たいい先生、大好きな先生になっていけます。

親御さんから見たいい先生

大事なこどもを預けているので、自分と同じくらいの距離感でこどもを見ていてほしいと思うのが親心。言葉が上手く話せない年齢では保育士さんの対応は大丈夫なのかとても心配しています。
登園時やお迎えのタイミングでニコニコしている先生は好感をもてますが、疲れ果てている先生を見ると大変なお仕事だと思う反面、心配になってしまいます。この先生に預けていて本当に大丈夫なのかなと不安にしてしまうこともあります。親御さんへの挨拶やコミュニケーション次第で、大事なこどもへ愛情を持って接しているのかを判断されるところもあるので、親御さんへの態度や対応にも細心の注意をしてくださいね。

連絡帳でのコミュニケーションでは、今日の保育状況を伝えるだけでなく、「お家でお母さんと○○して遊んだ」と楽しそうに話していましたといった話や、泣いているお友達に「痛いの痛いのとんでけ~」とハグして慰めてあげていましたといったこどものやり取りを伝えると、喜んでもらえることが多いです。しっかりこどもの話を聞いてくれたり、見てくれているのだなと安心感につながったりするので、些細なことでも連絡帳でたくさんお伝えするようにしてくださいね。
親御さんからみたら保育士は子育ての先生でもあります。子育てに関する悩みを相談できる相手としても見られていることがあります。ですので、面談やコミュニケーションで出た疑問には真摯に向き合って応えたり、前日の連絡帳で悩んでいそうな言葉があったら送迎のタイミングで声をかけたりするなど、親御さんの持っている悩みにも寄り添ってみましょう。
保護者に対してもいい先生であることは保育士の心構えとしてとても大事なポイントです。保育士の仕事は多くて大変かもしれませんが、コミュニケーションも大事なことなので、率先して行動していきましょう。

園長や同僚から見たいい先生

園長や同僚からみたら、あなたはビジネスパートナーです。どんな仕事に就いても必要なビジネスマナーは覚えておきましょう。
大事なポイントは大きくわけて3つ。
①自身の健康管理
②報連相
③前向きさ
この3つがなければ一緒に働くのは嫌だなと思われてしまいます。
保育園内部の仕事も自分ごととして捉えて、提案したり改善に繋げていけたりするような人はとてもいいパートナーになれるでしょう。指示があるまで待っているのは三流保育士だと思って、同僚や園長の見ている視点で自分も行動していくのが大切です。モチベーションが高く、思いついたことや気づいたことを率先してすすめるのはいいことですが、自分勝手にやってしまうのは危険。ひらめいたことは提案してOKをもらってからスタートして、やってみた結果や途中経過の報告、相談をしっかりできることが大事になります。
健康管理は、突然休みになると困るのは分かると思いますが、保育士不足というのもあるため急に休まれてしまうと穴埋めするために誰かが犠牲になる必要が出てきてしまいます。
病気になっても休むなと言っているのではなく、病気にならないような健康管理を意識していきましょう。風邪気味だったら事前に強壮剤を飲むとか、早めに眠るようにするなど。事前に体調を崩しそうなことを伝えておくことも大事です。周りの保育士より自分のことは自分で把握しているはずなので、状況をしっかり伝えておくようにしましょう。

保育士同士でこどもや親御さんの悪口を言うのはNGです。こどもたちのカワイイ共有はどんどんしたほうがいいですが、負のオーラが出ているような話はネガティブな思考が連鎖してしまいます。園内の雰囲気にも伝染しますし、悪口を聞いてしまったこどもから親御さんへ伝わることもあります。悪口は何もいいことは起きませんので絶対に悪口やネガティブな話はしないようにしましょう。

正規社員の保育士とパート保育士間で、足りないところを補える関係を作れると、同僚保育士との人間関係で問題はできにくくなります。
パート保育士の場合、勤務時間が短いため会議に参加できなかったり、こどものサポートに回ることが多くなりがちだったりします。パートだから知らなくていいということはありませんし、サポートだからメイン業務をしなくていいということでもありません。大事な話は共有したり、勤務形態の区別をせずに対応したりできることが、いい人間関係構築の第一歩になるかもしれません。

いい先生を続ける方法

いい先生を続けるためには自分が幸せであることが一番大切です。
疲弊しきっているときに笑顔でこどもたちと遊ぶことはキツイだけになってしまいます。
普段から意識したい心構えを継続していくためにも、ため込まない環境や習慣を作っておきましょう。

いつでもニコニコ明るい笑顔

笑顔でいることは周りへの影響も大きいですが、実は自分のためにもとても大事な行動です。
気分が乗らないときや、モチベーションが上がらないときに、その気持ちを園に持ち込んでしまうとこどもたちからは怒っているように見えてしまうかもしれません。
笑顔を作る習慣化ができれば、気持ちの入れ替えができたり、気持ちを沈ませられにくくなったりします。笑顔のままボーっとしたり、ギューッとスキンシップ取りながら怒ったりするのは難しいですよね。
普段から笑顔を作れれば、周りも自分もハッピーになるので、毎朝出かける前に笑顔が作れているかを鏡の前でチェックしてから出勤するようにしましょう。

優しい言葉遣い

大人とこどもで言葉遣いを変えるのは大変だと思いますが、どちらにも優しい言葉遣いができれば切り替える必要はありません。
普段の言葉遣いでどんな人か決めつけられてしまうこともありますので、言葉遣いや発する言葉には注意しましょう。
保育士のルールとしてこどもに否定語を使わないのはもちろんなことですが、「○○しないと○○あげない」とか「邪魔だからどいて」といった脅し言葉やイライラをぶつけるような言葉はもっとNGです。大人にもこどもにも「サ行」で優しい褒め言葉遣いを意識しましょう。

「サ」:さすがだね!最高だね!
「シ」:上手だね!知らなかった!
「ス」:スゴイね!ステキだね!
「セ」:正解!センスがイイね!成長したね!
「ソ」:その通り!そうだね!

大人にもこどもにも言われて嬉しい言葉なので、意識して使うようにしていくことがポイントです。
ポジティブな言葉を使っていると心も晴れてきます。前向きな言葉を使っていれば自分の意識も前向きに動き出していくので是非試してみてくださいね。

疑問はすぐに相談

園のシステムに関してや、こどもとのコミュニケーションで気になった点、親御さんとのやり取りで心配な点など、些細なことでも主任や先輩に相談するのが大切です。
自分でどうにかしようとしてしまうと、抱え込んで負担になってしまうことも。また、報連相が遅れることで、対策や改善が遅れ、事故につながってしまうこともありますので、気づいたことをすぐに相談できるスキルを身に着けられるように意識していきましょう。

基本的なビジネスマナーを持つ

笑顔や言葉遣い、身だしなみは保育士だからするのではなく、社会人として必要なことですので、しっかり覚えておいてくださいね。
ビジネスマナーを持っているだけで、一般的に嫌われる行動はなくなりますので、こどもからも親御さんからも同僚からも信頼を持ってもらえると思います。良好な人間関係を構築しておくことで、ストレスフリーな仕事ができるので、いい先生を続けられるでしょう。

保育士の仕事はとても大変なお仕事ですが、心構えを知ったうえで働けばもっと楽しみながら働けるようになると思います。
あれもこれもやり過ぎて疲れてしまっては本末転倒です。自分の体が資本ですので、自分が幸せだと思える方法からやってみてみましょう。新しく保育士を目指す人も、勤続10年以上の先輩も、今一度心構えを見返して、新しい気持ちで保育に取り組んでみるようにしてみてくださいね!