保育士の仕事では何かと体を動かすことが多いので、長く仕事を続けているとどうしても起こってしまう職業病があります。
保育士の職業病としての手首の腱鞘炎
中でも特に発症する人が多いのが手首の痛みで、ひどくこじらせてしまうと腱鞘炎として日常生活に支障をきたしてしまうことにもなってしまいます。
腱鞘炎は主に手首部分に起こるもので、一度かかるとちょっと手首を動かしただけでも激痛が走るようになってしまいます。
しかも一度発症をしてしまうとくせになってしまうこともよくあり、仮に一時的に保育の現場から離れたとしても完治せず一生ものの障害となってしまうこともあるといいます。
とはいえ日常業務で手首を全く使わずに済ますということは事実上不可能なので、できるだけ自分なりの予防策をしながら気をつけていくようにするしかありません。
そこで怖い腱鞘炎はどんな原因で起こり、どうやって予防ができるかということについてすこしまとめてみることにします。
腱鞘炎は女性に多い症状
腱鞘炎がやっかいなのは、男性よりも女性の方がよりかかりやすい体質であるということです。
腱鞘炎の仕組み
腱鞘炎の起こるしくみは、手首部分の関節をつなぐ「腱」の部分を包んで守っている「腱鞘」という部分に炎症が起こり腱を動かしたときに痛みが走るようになるということです。
人の関節はかなり複雑な動きができるようになっていますが、これは骨と骨をしっかりとつなぐ腱が適切に働いてくれるためです。
腱が動くときには内部にある体液が潤滑油となって摩擦が起きないようになっているのですが、この体液を含んで腱全体を守っているのが腱鞘です。
腱鞘炎になった手首はいわば油の切れた歯車のようなもので、ギーギーときしませながら関節同士がぶつかりあうようになってしまいます。
腱鞘炎の危険性
腱鞘炎が起こる最も大きな理由は特定の方向に偏った力を加え続けてしまうことで負担が大きくなり、傷がつきやすくなってしまうことです。
保育士の他にもタイピングを長く行うSEやプログラマーの方も同じように発症をすることが多くなっています。
腱鞘炎は女性に多い理由
女性の発症が多い理由としては、女性は男性よりも筋肉が少なく腱が丈夫ではないということと、女性ホルモンであるプロゲステロンが強く働いてしまうことがあります。
女性は出産を経験すると骨盤が緩んでしまうのでそれを引き締めるためにプロゲステロンというホルモンが大量に分泌されます。
これが骨盤以外にも骨の隙間にある腱鞘を狭くしてしまうことにもなるのでよりいっそう腱鞘炎が起こりやすい状態になってしまいます。
プロゲステロンは経産婦さんが多く分泌しますが、出産未経験の女性の体内にも多く存在するのでどうしても男性よりも起こりやすい状態になります。
手術にならないために
腱鞘炎がひどくなると、ペンを持てなくなったりペットボトルをあけることができなくなったりと、日常生活でかなり困ったことになります。
最悪の場合には手術を受けることにもなるので、できるだけ早めに対処をしていくようにしなくてはいけません。
腱鞘炎の初期症状である鈍い痛みを覚えるくらいの時期ならば、シップやスプレーなどで冷やすのが効果的ですがひどくなりそうであれば、周りにも自分の体の状況を伝えるべきです。無理ができないことを周知し相談にのってもらうようにしましょう。普段からのコミュニケーションの取り方が大事でこちらを参考に確認しましょう。
応急処置
スポーツをする人なら覚えがあるでしょうが、使いすぎた関節は冷やすことで早く疲労を回復することができます。
こまめに手首を冷やし、かつ無理な負担がかからないようにサポーターをつけるようにしていくことで重症化するのを避けることができます。
もし痛みがひどくなってきた場合には、反対に患部を温めるようにするのがいいとされます。
カイロプラクティックのように全身を温める治療をすることで、体内の血液循環を促し回復を促進することができるとされます。